[読書][哲学][生命倫理学]小泉義之(2006)『病いの哲学』(筑摩書房[ちくま新書593])

病いの哲学
病いの哲学
小泉 義之

 小泉義之(2006)『病いの哲学』(筑摩書房[ちくま新書593])を読了。
 とにかく引用している人たちの言い回しが難解で、それを租借するのに時間がかかり、さらに著者が引用部分を解釈する箇所もそれにつられてかスラスラ読めるものにはなっておらず、租借に時間がかかり、何割かは読んでいる内に訳が分からなくなりすっ飛ばした。とにかく、哲学に関する予備知識・バックボーンが全く無いと、読むのが苦痛になる本。
 著者は「死の哲学」と「病いの哲学」との区別を図る形で論を進める。「死の哲学」を「死に淫する哲学」、つまり生に有意義な意味づけをするものとして捉える。ただ、生に過剰な意味づけをするとき、かえって生を毀損し、生よりも死を高貴なものとして位置づけることになる。「死に淫する哲学」を信仰することで実際に行われるのは、安楽死や尊厳死のように生よりも死を選択する行為なのである。
 著者は「病いの哲学」を「死に淫する哲学」と対置させ、生を肯定する「病いの哲学」の系譜をパスカル、マルセル、ナンシー、パーソンズ、フーコーから取り出す作業を本著後半で行い、ゆるやかに死に向かいつつある病人の生を肯定しようと試みる。各哲学者のテクストを読み取ることがメインなので、先述した通り、哲学に関する予備知識・バックボーンが全く無いと、読み進めるのが難しいが、中身は極めて考察に値するものである。

【評価】
★★★★★
⇒生命倫理学系を専攻している哲学バカ・倫理バカは読め。

にほんブログ村 教育ブログへ
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
 よろしければクリックのご協力をお願い致します。

スポンサーサイト

にほんブログ村 教育ブログへ
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
 よろしければクリックのご協力をお願い致します。
  • 2018.06.16 Saturday
  • -
  • 17:54
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
10年に一冊というぐらいの素晴らしい哲学書だと思っています。
せめてこの本のどこが曖昧かぐらい言えるようになってください。
  • 愚人
  • 2007/06/19 5:09 PM
コメントする








   

+ Search This Site.
Google


WWWを検索
http://tmaker.jugem.ccを検索

Recommend

Recommend

Recommend

Recommend

Profile

Calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>

Categories

Archives

Links

Selected Entries

Recent Comment

  • [授業実践:特別支援教育高等部(課題別学習)][学習指導案(学習活動案)][ワークシート][指導資料]「時計文字盤」・「スケジュール帳」
    JUMP (05/30)
  • [授業実践:特別支援教育高等部(課題別学習)][学習指導案(学習活動案)][ワークシート][指導資料]「時計文字盤」・「スケジュール帳」
    T-Kreuzung (05/27)
  • [授業実践:特別支援教育高等部(課題別学習)][学習指導案(学習活動案)][ワークシート][指導資料]「時計文字盤」・「スケジュール帳」
    JUMP (05/23)
  • [高等学校公民科(政治・経済)(2017年度)][授業実践]17. 基本的人権の保障(2)精神の自由の制限は認められるのか?
    T-Kreuzung (05/28)
  • [高等学校公民科(政治・経済)(2017年度)][授業実践]17. 基本的人権の保障(2)精神の自由の制限は認められるのか?
    NIK (05/27)
  • [授業実践:中学校社会科(歴史的分野)][ワークシート]57. 朝鮮・中国への進出 ぢ耋僉γ羚颪諒儔
    T-Kreuzung (03/30)
  • [授業実践:中学校社会科(歴史的分野)][ワークシート]57. 朝鮮・中国への進出 ぢ耋僉γ羚颪諒儔
    望月慈希 (03/25)
  • [出来事の記し(駄文日記)]東京都町田市・町田えびね苑
    くぼた (04/30)
  • [授業実践:特別支援教育高等部(自立活動)][非常勤講師(2008年度)]掲示物:「おならをしない!!」、絵カード:「おならは外で!」
    ゴンザレス田中 (05/26)
  • [出来事の記し(駄文日記)]「RING GENERATIONS 〜RINGとの対話〜」
    佐久間大介 (10/22)

Sponsored Links

Others

Mobile

qrcode

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM