[生徒指導][中等教育(高校)]][2010年度 教育を進める会]アディクションアプローチ

 勉強会に参加したときの自分のプレゼンテーション資料。信田(2008)をまとめたもの。
【レジュメ】「【補遺】アディクションアプローチ」
1. ニッチとしてのカウンセリング
○精神科医療(=保険適用)…「診断」・「治療」・「処方」
⇔●非医療モデルに立脚した援助の基礎理論、サービスとしての援助技法の開発に迫られる。

2. アディクションアプローチの柱
(1)本人より家族を(優先順位の逆転)
  …本人・家族を問わず、「困っている人」がクライエント⇔本人の症状中心の治療
(2)援助の有害性の指摘
  …援助やケアがかえってアディクションを悪化させる⇔ケアの無謬性
(3)援助の限界設定
  …援助者の自己過信を防ぐ⇔治療対象はあくまで当事者

3. 再定義による主訴の変化
○クライエントの問題化に対して別の視点・解釈・仮説を提示する。
⇒●主訴の変容や、問題の核心へと変化
[例]妻曰く〔浮気がばれた夫のリアクション〕→(再定義)⇒〈夫のDV〉=パラダイムシフト

4. 親を責める子ども・AC(アダルト・チルドレン)
○「愛情」、「受容」、「心のつながり」などの言葉で問題化できない。
⇒●権力関係での弱者、被害者の立場、権力の奪回や責任追及、糾弾という認知で問題化することで対策が生まれる。

5. カウンセリングとは…
×権力・反撃・権力奪取などの権力の非対称性の関係⇒○「非権力的関係性」へ
●非権力的関係性を構築する現実的な試みで具体的ロールプレイ。

6. 望ましい家族とは…
(1)他者性の自覚
 …家族はお互いにかけがえのない、すべて理解できる存在ではない。家族だろうと他者である。
⇒●「家族」における権力性の自覚
(2)親密さは家族の外に求める
 …家族だからこそ、言えないことがあることを自覚する。
(3)コミュニケーションの断念
 …「私は…と思う」のように「私は〜」の一人称の発言で相手に投げかけ、相手の主張を問うコミュニケーションをする。
⇒●コミュニケーションの中で主体・客体関係を絶えず構築・交換する。
 =「お互いに話せば分かる」わけがないことの表明。
(4)子ども中心の関係
 =「家族」の中の権力関係(父=家父長的権力性、母=親としての権力性)を極小化した家族。
(5)親が子に与えられることは何か
 …父が母をいたわり、尊重し、大切にする態度を示す⇒父・母の安定した関係性

7. 「家族」は崩壊しない
●社会制度上、家族なしに何事もできない以上、家族を維持し、その内実を変更するほうが現実的である。


【参考文献・参考URL】
●信田さよ子(2008)「それでも、家族は続く――カウンセリングの現場から」(東浩紀・北田暁大編『思想地図vol.2 特集 ジェネレーション』[pp.35-64]所収).
▲医学書院/週刊医学界新聞 「〔特別編集・鼎談〕アディクションアプローチ(山崎摩耶、上野千鶴子、信田さよ子)」(第2344号1999年6月28日)、http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2344dir/n2344_08.htm

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[生徒指導][中等教育(高校)][特別支援教育]スクールカウンセラーの話(初任者研修講話)より

 初任者研修のスクールカウンセラー講話を聞く機会があったので参加した。そのときの講話内容。主な内容は以下の通り。
「スクールカウンセラーの話(初任者研修講話)より」

1. 児童相談所
○虐待する親は、いつも殴ったり虐待したりしているわけではなく、その後で優しくなることもあり、この時に子どもは「自分のせいで親を怒らせていたんだ」と、〈親の方が正しい〉と思い込み錯覚する。しかし感情的には納得できない。そこで親に反発しても、親は正論以外のことを言われると暴力(DV)で反撃する。
○虐待やDVは、閉鎖的な空間であるが故に起こる([例]夫婦、親子)。
○児童相談所は1回目の通報に際し、どこまで暴力なのかが認定しづらく、なかなか動かない。2回目の通報では、もう過去のデータがあるので理解や介入がしやすく動きやすい。それ故、あえて身体の傷つきにくい部位を攻撃する親もいる。
○基本的に、生徒が言ってくることを信じてやる。しかし、いきなり初めて言われてなかなか信じられないときには判断が難しい。その時には、こちら側のリスク感覚で行動するしかない。
○ピンチは「これがピンチだ」という感じがしない形でやってくる。ピンチのときに動くか動かないかは自分の勘。ピンチはチャンスの裏返しである。
○本当に危険な場合は、^貉保護所がある児童相談所又は中央児童相談所へ通告する、警察へ通報する、(危機管理の分かる人ならば)保健士に連絡する、のいずれかが考えられるが、担当者が誰になるかによって今後の運命が決まってしまう。
○初動対応の1回の遅れが後に3〜4日以上の処理の遅れになる。
○各学校で年1件は起きる。
○虐待を認知した段階で児童相談所への通報義務が発生する。まずは事実を聞き(聞こうとすれば生徒は開いてくれる)、それから管理職経由で児童相談所へ連絡する。


2. 面接・三者面談
○三者面談は子・親がお互いに互いを牽制しているから秘密が出ない構造になっている。この構造の中では虐待の話は出てこない。その方が教員にとっても都合がよい。なぜなら、秘密が出ると、教員はその直接の当事者との〈共犯関係〉の中に組み込まれるからである。
○三者面談では、なかなか自分たちの話を打ち明けない三者のケースと、自分たちからどんどん話を切り出す三者のケースがいるが、教員としてはできうる限りの秘密を知ってほしい。
○カウンセラーの世界では、三者面談などはしない。子・親にそれぞれカウンセラーが対応して一対一で個別に面談をする。
○教師は子・親のどちらの立場を尊重するか、そのバランスが難しい。また、面談のときだけでなく、面談前には親子が面談室に入ってくる場面や、面談後に退室するする場面、特に親・子の歩き方やスピード、入室・退室の動き、親子の関係などに注目せよ。
○面談中、メモは取らない。相手を見る。必要な情報は後でメモする。
○座り方は次のとおり。
(A)三者面談(1対2)…三項関係の構図(基本形)に持っていったほうが楽である。【図A】では、〈教員‐保護者‐生徒〉間で関係が成立している。
【図A】


(B)二者面談(1対1)…三項関係の構図を意図的に作るのがポイント。
(B-1)医者の診察室…医者は患者に位置的に正対するが、医者は患者に対して体を横にして、顔を患者のほうに向ける。また、医者はカルテのほうに目をやる。患者にはカルテを書いているのが医者に見えている形である。【図B-1】では、医者が、〈医者‐患者‐カルテ〉間で関係を作り出している。
【図B-1】


(B-2)カウンセラーの対面…カウンセラーはクライアントに正対するが、カウンセラーはクライアントに質問や話を聞く作業で、三項関係を作り出す。例えば、カウンセラーがクライアントに「あなたはどうやってそれを対処してきたの?」と質問をする場面で、カウンセラーは「あなたは」の発言中にクライアントを見つつ、「対処」の発言中にメモを見る仕草を入れるとき、カウンセラーはメモを見る仕草を入れることで、クライアントの緊張感を和らげようとする。また、正対するときもカウンセラーは直接クライアントのほうを向かずに、チラチラ見る方法や、ペンや物をいじる仕草で話を聞く(ただし、ペン回しはしない)。そのほうが相手に余計なストレスを与えずに済む。即ち、ここではカウンセラーが意図的に、【図B-2】のような〈カウンセラー‐クライアント‐メモ〉の関係を成立させている。
【図B-2】


○カウンセラー側のリラックスの仕方は適度にする。リラックスしすぎると逆に相手が緊張する。
○面接では、自分が予め意図・準備して選んだ言葉で話すと、相手へのダメージは少ないが、逆に自分が意図せずに何気なく使った言葉で話すと、相手へのダメージは大きい。普段使っている言葉が相手を刺激することはよくある。
○突然起こるクライアントもいる。誰かがその問題を扱わなければならないとき、その問題について質問すると、それが地雷となって怒るパターンのときだ。このパターンはよくあるので仕方がない。たまたまそうなっていて、自分がそれを引き受けるたちまわりになっている。自分はできることをすればいい。
○問題やトラブル、リスクを扱うときは、「今まで相談してきて問題にあたってきたならば人に相談する」、「今まで自分ひとりでやってきたならば自分で解決させる」など、今まで自分がやってきた解決方法で臨んだほうがいい。そのほうが失敗したときに自分が立ち直りやすい。
○要は、無い袖は振らない。
○「去年のクラス/担任のほうがよかった」と文句を言う人がいるが、そういう文句で自分をカバーしているだけなので、気にしないこと。
○保護者は年に1〜2回しか教員に会わないので面談のときは緊張している。たとえ若い教師であっても決して「若造」だとは思わず、「先生」の言葉として受け取る。


3. 発達障害⇒詳細についてはカット。
○発達障害=関係性の理解・認知が極めて乏しい。
○周りに「こういう生徒がいる」と教えたほうがいいし、周囲の理解のためのプログラムも必要。
○発達障害がある人はストレスが多く、そのストレスが脳の弱い部分に出るから統合失調症などの病気に非常にかかりやすい。
○発達障害でのダメージ・リスクの殆どがフラッシュバックからくるものである。それらは構造化やリハビリでそのダメージやリスクを低下させることができる。
○発達障害がある生徒が特別指導を受けるケースは多い。事件を起こした〈過去の自分〉は〈今の自分〉と同一と認識できない。それ故に反省文も書けない生徒が多い。よって、発達障害がある生徒には、今の気持ちを振り返る活動をさせることが大切である。特別指導で「いつもしかられて大変だね」と言われるだけでも彼らは救われる。

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